若宮大明神(若宮さん)

 

 疫病の流行や災害から村落の鎮護(ちんご)を憑(たの)んで祀(まつ)られたもので、御霊信仰(ごりょうしんこう)に基づくと考えます。

 長延川を渡るこの場所では、「夕暮れ時になると、糸引き婆(いとひきばばあ)という妖怪が出る」との里伝(りでん)もあり、夕暮れになると子供たちは走って橋を渡っていたと聞きます。このようなことから、子供たちを守ってもらうということも含めて考えることができそうです。

 若宮さんという場合はもう一説あります。神様のお子神という意味で、応神天皇(八幡神)の皇子である仁徳天皇に当てる説です。

 久泉区の若宮さんはそうではなく、御霊信仰に基づく説を採るのが妥当ではないでしょうか。

【資料提供:広川郷土史研究会】